「モリー先生との火曜日」&「モリー先生の最終講義」

Isao2004-10-03

不治の病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されたモーリーシュワルツ教授の生涯を描いた伝記。モーリー教授の教え子であるミッチが教授との再会を議事録形式で書き下ろした「モーリー先生との火曜日」と教授が自身の半生を書き下ろした「モリー先生の最終講義」の2部作。

「死は生の中にある」、ある本でそんなことを読んだ。(本書にも書いてあったかも)その本には「死を恐れない」ということより、死を生の中の一部として受け入れ、自分の葬式を想像し、そこに参列している親族・友人達の顔を思いうかべ、そしてその自分の生涯がどうであったか(あるか)を日常的に考えよ、というような事が書いてあった。
上述を毎日意識しながら生活するのはなんとなく暗い気分になりそうなのでお断りだが、日々自己BSETを尽くすという意味では一部受け入れるべきことでもあると思う。一方では「死は生の中にある」ということを体験的に実感していながらも、親族・恋人・友人らと「今が最後」と思うほど愛情を持って接しているだろうか???(自己BSETを尽くしているだろうか?)と自問自答してしまう。。。
モーリー教授も同じだったのではないだろうか?ALSに侵されるまでは「死は生の中にある」ということを受け入れていなかったのではないだろうかと思う。(普通はそうだろう・・・)だからこそ、モーリー教授はその人生を本書で語ることにより、常日頃「死は生の中にある」から目をつぶりたがる我々に「死を含めた」人生における大切な事を説こうと思ったのではと思う。
その点で私はすっかり本書にはまったと言えだろうし、死が迫りながらも前向きに生きる教授の姿に感銘を受けざる得なかった。