幕末時代に散った男たちの行動学

Isao2004-04-07

●著者:童門冬二PHP研究所
暗殺の嵐が吹き荒れる幕末 ― 新たな時代を切り開こうと己の命を賭け、志半ばで斃れていった男たちの壮絶な生き様を描いた歴史読物。

●レビュー;☆☆☆★★
開国と攘夷に揺れる幕末時代、後に明治維新と呼ばれるこの混乱の時代において、その時代に生きた改革者たちは、坂本竜馬勝海舟新撰組吉田松陰をはじめ今でも語り継がれる人物が多い。それは何故か?一つは明治維新が日本史において非常に大きな変革であった事、二つには、それら改革者の多くが志半ばで悲運の運命を迎えているからではないだろうか。
本書はそんな時代に悲運の運命に散った人物を「組織」に属する「組織人」として捉え、彼らの使命感、苦悩、悲運を著者独自の視点から評伝している。組織における苦悩、悲運は現代にも通ずるところがあり、新たな視点で幕末時代を眺めているところが面白い。また本書で紹介されていた6名の改革者を通じ、その「使命感の強さ」に現代と背景の相違があるものの、感じるところがあった。

●本書の登場人物;