PTという可能性

人生設計入門という本を読んだ。資産運用を軸にしたライフプランニングに関する基礎が取り纏めてあり大変勉強になったが、その中でPTに関する事項については特に自分なりに考えることがあった。なぜなら自分は現在米国に住んでいて、機会があれば再び海外で生活したいという希望を抱いているからである。
PTとは「Perpetual Traveler(永遠の旅行者)」「Permanent Traveler(終身旅行者)」を略したもので、それ以外にも「Passing Through(通過)」「Parked Temporarily(一時滞在)」「Prior Taxpayer(納税優先)」などの頭文字から由来しており、つまりは動機は様々ながら自国を離れ国外に生活基盤を移すことを指す。資産運用が主である本書では、PTについても資産運用、つまり海外に生活基盤を移すことによる節税メリットについて記述されているが、僕個人としては残念ながら(?)節税メリットを生かせる程の資産をまだ保有していないので日常生活面から海外居住地域の条件について考えてみたいと思う。
PT候補地の条件

  • ビザ:海外へ移住するとなると長期滞在用ビザが必至になる、ビザの発給システムは国別に異なるので、先ずはどの国へ移住したいのか、そして自分の能力を考えた上で取得できるビザを見極める必要がある。ビザ取得のプロセスは結構複雑なので、申請時は専門会社または弁護士事務所等に相談する。
  • 言葉:コミュニケーションが成立しない環境では長期生活は困難であり、普通は英語圏の国が移住対象国となる。
  • 場所:幾ら海外生活が豊かであったも自国であり親族、友人がいる日本を恋しく思うことは必ずある。したがって、移住場所はなるべく日本から近いほうが理想と思われる。かつて通産省鳴り物入りで始めた「シルバーコロンビア計画」はスペインなどを定年退職者の海外での保護地として開発を行ったが、移動時間または時差などが障壁になり、挫折した方々も多いと聞いている。
  • 治安:平和ボケしている日本人にとって、治安は最も重要な条件の一つ。
  • 物価:より海外生活を豊かにするためには、LivingCostが安価なところが望ましい。デフレ傾向が進む日本では、海外のほうが物価が安い筈・・・というのは間違った考えで移住先での物価について調べる必要がある。
  • 不動産:不動産の取得価格もさることながら、国によっては外国人が不動産自体を所有できないところもある。安い価格で豪邸が手に入るというメリットを生かすなら、海外でも不動産を取得できる国を選ぶべき。
  • 気候:豊かな生活を求めて移住するわけで、気候も重要な条件となる。ちなみに僕の住んでいるカリフォルニア州は最高の気候で申し分なし!

海外生活を考える、準備する上で必要な事項は上述の通りで次は具体的に国別の状況と環境について纏めてみる。

  • ハワイ:環境は申し分なく最高!です。日本人の移住者も多いので、食生活、コミュニティなども充実していると思います。一つ不安とあげるとすれば、ハワイは当たり前のことながら米国であり最近はビザ発給に関する規制が大変厳しくなっていることです。
  • カナダ:アメリカに次いで移住先として人気の高い国。日本の27倍の国土に3,000万人しか住んでおわず、移民の受け入れにも積極的。
  • オーストラリア:同国は居住環境、言語、物価、治安などの面で優れている上に、日本との時差が少ない。またカナダ同様に日本の20倍もの国土に2,000万人足らずの人口しかおらず、国策として移民の受け入れに積極的。
  • スイス:一人当たりの国民所得が世界一豊かで、政治・経済が安定。環境も申し分なし。
  • フィリピン:意外ながら近年になって海外移住先として急速に人気を高めている国。最大のメリットは物価の安さであり、治安面に不安を残しながらも、安全や快適さを安価に購入することができる。

以上が海外生活を考えまたは準備するにあたる基本的な事項である。一生かかって払い続ける住宅ローン、生活環境の劣悪、年金制度の崩壊に直面している日本に比べ、海外には住環境、生活面において豊かな国が多くあるように思う。アメリカに生活する僕はそのことを痛切に感じており、何も日本で生涯を終える必要はないと真剣に最近考え始めているのである。また今度移民についてもう少し調べてみよう。